一流の会社では一流同士の競争に巻き込まれる
山あり谷ありです。
働き始めると必ず障害や落とし穴が待ち受けています。
レッサー(旦那)の弟の話です。
学歴
弟は有名大学に入学し大学院を卒業しています。
レッサー(旦那)は三流私立大学しか出ていません。
会社
弟は有名自動車会社に入社しました。
レッサーは全国規模の会社ではあるが知名度が低い会社に入社。
両親も弟に期待をしてました。
それまで弟は順風満帆な人生を歩んでましたが
会社に入社するとともに一変します。
弟が入社した会社には
東大や京大のおまけに帰国子女などがゴロゴロいました。
それだけで一気に落ちこぼれることになります。
ある日、分厚い英語の本を渡されて
「一週間で翻訳してこい」
と上司に言われます。
嫌がらせなのか最初の洗礼なのかわかりません。
ネットなどない時代です。
普通に考えればめちゃぶりのパワハラでしかありません。
しかし
その上司は無理難題を言ってるわけではありません。
その会社で 弟の周りにいる人達はできるのです。
日本語の本を読むように英語が理解できる。
それほどの能力を持った人たちが集まっている会社であり部署でした。
そこから弟は追い込まれていきます。
要求されることのレベルが高すぎてついていけないわけです。
三流大学出身のレッサー(旦那)は
高校の英語の教科書を読むのですら苦労するレベルです。
あり得ない4時間以上のパワハラ説教
また自動車会社では実験をします。
今度は現場を仕切っている班長の出現です。
現場の班長に実験をお願いすると
「段取りが悪い」
「準備不足」
「言ってることがわからない」
と怒鳴り散らされます。
それはそうでしょう。
入社したばかりで右も左も分からないので
何とか説明しようとしても限界があります
班長は何十年もその現場を仕切っています。
頭を下げながら仕事を進めるしかないのですが
ある時から毎日説教されるようになりました。
それも4時間以上
それを見ている上司も助けてくれません
班長の部下たちはそれを見ながらニヤニヤしてるだけです。
弟は思いました
これが一流企業の実態か?
会社の人間関係なんてそんなものです。
学生時代には仲のいい友達なんてクラスに良くて3人くらいしかいません。
仕事になると仲が良くない人間と付き合うことがほとんどです。
しかし
4時間以上の説教が何週間も続き
上司もそれを助けようとはしません。
効率なんて考え方は皆無です。
弟の顔つきが変わっていきました。
会社の飲み会には一切参加しなくなりました。
会社でも必要以外は一切話さなくなりました。
それでも必死で頑張りました。
必死で頑張っても助けてくれる人はいません。
だれも関わろうとしなくなりました。
それが会社です。
10年後、配置転換で営業に回されました。
早い同期は既に課長になっています。
しかし弟は給料ですらほとんど上がっていません。
営業でも与えられた仕事はしました。
しかし
会社の人たちとの人間関係が深まることはありません。
すでにダメ出しされ色眼鏡で見られているます。
同期入社の社員も誰も話しかけてはくれません。
数年後に総務に配置転換しました。
入社してから20年
当然のごとく昇進などひとつもなく
ほとんど給料もアップしてませんでした。
弟がまわされた部署は追い出し部屋でした。
一年で30%の社員が辞めていくような部署です。
パワハラは当たり前
仕事が終わる直前に多量の仕事をやらされたり
毎日毎日大声での罵声が聞こえない日がありません。
今なら許されないでしょう。
社会問題になるレベルです。
これが日本の一流企業の実態でした。
我慢の限界を超えた弟は
上司に退職願を叩きつけました。
メンタルをやられ出勤前に嘔吐していたそうです。
休職や傷病手当をもらって2年くらい暮らせばよかったのですが
それはしませんでした。
髪の毛が薄くなり
退職願を出す頃にはつるつるになっていました。
40代で仕事を辞めた弟に高給を払える再就職先があるわけでもなく
今は毎日どうにか生活しています。
四十歳で会社を退職しても不幸とは限らない
一流企業を四十歳で退職し不幸のように思えるでしょう。
弟は今でもはっきりと断言します。
「あんな会社は辞めて清々した」
もっと早く決断をしておけば別の人生があったのかもしれませんが
辞めたことに後悔はありません。
今は
親の遺産をもらい
自分の生活費だけ稼ぎながら毎日を自由に暮らしています。
不安もあるでしょうが結構楽しそうです。
人生ってわかりませんよね。
私は弟が羨ましいです。
くだらない人間のしがらみを完全にスルーできて。
レッサー(旦那)はまだ現役で働いてますが
毎日毎日が気の合わない人間との付き合いの繰り返しです。
今弟は
憑き物が取れ本来の温厚な性格に戻っています。
人生とは一筋縄ではいかないものですよね。
大学入試に失敗した私は三流私立大学にしか入学できませんでした。
本当に勉強しない学生ばかりでした。
少し勉強しただけで10番以内に入れます。
弟のように超一流企業への入社は無理でも
それなりの会社に入社はできます。
知名度こそありませんが全国規模の会社です。
誰もが知るような超一流ところで勝負すると
一流同士のレベルの高い競争に巻き込まれ
私よりはるかに学力がある弟が落ちこぼれたりします。
でも
今が幸福ならそれで十分なんですけどね。
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